日本経済新聞1月3日朝刊の一面トップ記事は、「日立、パソコン利用全廃」というものでした。私は、個人情報保護の流れがWindowsパソコン全盛時代を終わらせるのかと思い、この決断を高く評価したいとメルマガに書きました。
グループ各社で利用しているパソコン30万台を全廃し、情報漏洩を防ぐ対策を施したネットワーク端末に切り替える方針で、3月までに第一弾として新型端末を2000台導入し、早ければ4年後には全面的に切り替える。新型端末は、パソコンではなく、またハードディスクを持たないためすべての情報をサーバーで管理できるため、セキュリティを確保できるとの触れ込みでした。

まあ新聞記事ですので、センセーショナルに書かれているのかなとも思いましたが、翌日出された日立のプレスリリースにも同様の内容がつづられていました。

  モバイルPCの盗難や紛失などにより、モバイルPCのハードディスクに
  格納された情報の漏洩を抜本的に防止するため、ハードディスクを社
  内のサーバーに置き、通信・ネットワークを活用することで、いつでも、
  どこでも、安全かつ安心して利用できる、ハードディスクを内蔵しない
  モバイル端末を利用した情報システムを開発しました。

でも、いったいこれ何なんだろう?
昨今の企業内システムの乱立を知っていれば知っているほど、
本当にパソコンを全部置き換えできるのか不思議に思いますよね?

これについては、日立側からプレスリリース以外の情報は出ていないので、
詳細は分からないのですが、どうも情報を総合すると、単純にパソコンを全廃するわけでもないようです。

あくまで推測ですが、

・シトリックス社の「MetaFrame」という製品を使うと、1台のWindows Serverに複数のクライアントを接続して、リモートデスクトップ環境を実現できる。
・日立は年末にシトリックス社と大口のライセンス契約を結んでいる。
・単純に「メールとWebが読めればWindowsじゃなくていいでしょ」というようなシステムを日立が提案するとは思えない。
・日本HPもMetaFrameと組み合わせて使用する情報漏えい防止システムを商品化している。

などの情報を総合すると、日立のこのシステムはMetaFrameを使用した大規模
なリモートデスクトップ環境であるようです。

ということは、

・社内に大量のWindows ServerにMetaFrameをインストールしたものが必要である。(MetaFrameは同時アクセス数十台程度らしい)
・Windows OSや、MS Office、Windows Serverなどのライセンス料は発生する。

となります。

つまり、Windowsパソコンの時代は終わるかもしれませんが、Windows Serverを使用したリモートデスクトップの時代が来るだけであって、マイクロソフトの現在の地位は揺るぎそうにないということのようです。

いずれにせよ、詳細については日立の続報を待ちたいと思います。

関連URL:
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/01/0104a.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20050126/155304/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NT/NEWS/20050118/1/
http://www.citrix.co.jp/company/press/releases/20041224.html




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