020b3b53.JPG 7月9日の日本経済新聞朝刊16面の「リーガル3分間ゼミ」で、「仕事で得た顧客の名刺、誰のもの」というQ&A記事が掲載されています。弁護士さんの意見などをいくつか紹介した上で、この記事の結論としては「秘密指定外なら個人のもの」としています。すなわち、仕事で得た名刺は個人に帰属するので、退職時にも持ち出し可能との記事です。

ちょっと待ってください。
この記事は「不正競争防止法」だけを取り上げて、内容を構成しています。

しかし、個人情報保護法では、個人情報の目的外利用は禁止されています。

ビジネスの打ち合わせや商談の席で名刺交換する際は、利用目的を明確に文書化して明示したりはしていませんが、「その会社との業務上の連絡に使用する」という利用目的がおのずから明らかであると考えられます。

すなわち、私人としてのその人と名刺交換しているのではなく、組織人としてのその人と名刺交換しているのです。

ですから、その人が退職して、違う仕事について、その名刺の情報を使用するということは、名刺交換した際の利用目的からかけ離れていくことになり、目的外利用となる可能性が高いと思います。

個人情報保護法上では、このようなことを防ぐのは、個人情報取扱事業者の義務とされますので、このようなことがあった場合には、会社に責任がかかってくるわけです。

ですから、結論的には、退職時に名刺を持ち出してはいけないということになると思います。また、弁護士先生の言うように、不正競争防止法で名刺の持ち出しが容認されるのであれば、企業としては積極的に「個人情報非開示契約」を社員との間で締結し、業務上取り扱う個人情報全てを、在職中、退職後問わず、目的外に利用したり、持ち出してはいけないということをはっきりとさせておく必要があると思います。





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